本文へスキップ

〜緑化の推進をはかり住みよい環境づくりに奉仕する〜  

学校緑化事業

■学校緑化事業

昨今、学校施設において、環境への負荷の低減に対応した施設づくりが求められており、また子ども達の「生きる力」を育むためには運動体験や自然体験等の機会を増やすことが重要だとの観点から、学校グランドの芝生化が進められつつあります。
校庭の芝生化による効果は次のようなことが挙げられます。

@飛砂防止効果
 土の校庭では、乾燥時の強風で表面の土壌が舞い上がり、土埃や砂埃が発生します。
生徒だけではなく近隣住民の洗濯物にまで被害を及ぼすこともあります。耐踏圧性が優れている芝生でグランドを覆うことにより、校庭としての利用と飛砂防止を両立することが可能となります。

Aぬかるみ防止効果
 土壌がむき出しの場合、多量の降雨後に土壌表面の水分が浸透せず、ぬかるみを形成することがあります。
芝草の根が地中に張ることによって、土粒子間に空隙ができ透水性が高まるので、表面乾燥が早くなります。

B地表面温度変化緩和効果
 土壌や舗装材と比較して芝草の温度変化は少なく、照り返しも防止する効果があります。

C生徒のけが防止効果
 生徒が転倒しても芝生がクッションの役割を果たし、けがをすくなくすることができます。

Dグランド利用促進効果
 サッカーや野球などのスポーツ環境としての良質化による利用促進効果だけでなく、地域開放している学校では、住民とのコミュニケーションの場としても利用するなど、新しいグランドの使い方が生まれる可能性があります。


四十万小学校での事例(平成16年7月30日)

四十万小学校生徒による張芝が行われました。
※北國新聞掲載平成16年9月


工程


張芝前

張芝後

完了
@すき取り
土壌改良剤を混入するため、現況基盤より5センチほどすき取る
A土改
すき取り後タテヤマユーキ7.5L/m2、モスライト7.5L/m2、イソライト15L/m2、バーディーグリーン50g/m2、をt=15cm厚で混合し、整地する。
Bエッジング
芝生の根がトラック内に進入しないようエッジングを埋没する。
C張芝
芝を張り、その後散水し完了


整備方法

■芝生化の適所
@グランド
学校体育の施設や設備の充実は、生徒の運動への関心や意欲を高めるために重要です。 グランドや築山など体育活動の利用頻度が高い場所を芝生化することで、体力向上、環境教育などの点で、大きな効果をもたらします。

A屋上
近年問題となっているヒートアイランド現象の緩和、またグランドのサブ機能を発揮します。

B前庭
前庭は、地域の人々の目につきやすく、生徒のみならず地域住民全体が環境への関心を高めることが可能となります。

Cグランドのフェンス周辺
グランド周辺は、運動会やサッカー、野球などの応援席となり、人々にコミュニケーションの場を提供します。

■芝生の種類と特性
 芝生の種類は大別して寒地型芝と暖地型芝に大別され、グランドによく使用される芝生のうち、日本芝(ノシバコウライシバ)及びバミューダ(ティフトンシバ)などは暖地型芝に属し、ブルーグラス、 ライグラス、フェスク等は寒地型に属します。
 暖地型芝は一般に葉が堅く、踏んだりする磨耗に対して強い性質を持っています。また乾燥にも強く肥料も少なくてすみます。成長は西洋芝に比べて遅く、刈り込みも少ない回数ですみますが、 反面種子が発芽しにくいため、張り芝か播き芝で芝生面を作ることになり、初期費用がかさみます。
寒冷地は、日本では北海道や東北で主に使われています。この種の芝の多くは牧草の改良種で、生長が早く、葉が柔らかい種類が多いのが特徴です。また暑さや乾燥、肥料不足に弱い面をもっています。 それでも冬に緑色の芝生は人気が高く、最近見られる庭が増えています。
 北陸地方では、一般的に暖地型のノシバやコウライシバが広く使われており、グランド緑化のについても、生育、管理面に有利です。

●ノシバ
 コウライシバに比べて葉幅が広く、葉質も堅いので粗い感じがする。しかし、踏圧には強く、 肥料の要求度も少ないので、公園の広場や斜面、ゴルフ場のラフなどに利用されている。 生長は日本芝の中で一番遅く、日陰に弱い。

●コウライシバ
 コウライシバは、芝生として一般的に見られるもので、ノシバより葉が細く、やわらかい。 草丈はノシバより高くなるので、適度に刈り込む。公園や家庭の芝として利用。

管理方法

 芝生の維持管理は、労力がかかります、それは、芝生が最も酷使される植物であることを考えれば当然で、常に踏まれたり、擦り切れたりと簡単ではありません。だからこそ手をかけて芝生を守ってあげることが必要となります。
その中でも、専門業者が行ったほうがよいものと、コミュニケーション機能を期待して生徒や地域住民が行ったほうがよいもの、校庭での使用を控えたほうがよいものがあります。
それらの性格を踏まえ、以下に管理工程をあげます。

■刈り込み
 芝草を健全で美しい状態に保つために、適時適切な刈り込みを行う必要があります。芝草の生長点は、地表近いところにあるため、適切に刈り込むことにより、茎葉は再生し、また太陽光の適切な透過と葉間の適度な湿度を保ち、病害虫や枯死を防ぎます。
 ・刈り込み頻度・・・年3〜6回
 ・刈り込み高さ・・・コウライシバの場合、25〜50mm(20mm以下は避ける)
 ・作業者・・・小型機械でも可能だが、大面積の場合、業者に委託する方が能率的で安価にできる可能性が高い
薬剤散布を控えた場合、雑草の混入率が高くなります。雑草をむしる作業は子ども達でも十分できますので、学校美化運動の一環として行うことをおすすめします。

■スイーパー(刈り屑処理)

 刈り屑が芝生上に集積すると、見栄えが悪いだけでなく病原菌の発生源ともなるので、刈り込み後に必ず行います。
 ・作業者・・・大面積の場合、業者に委託する方が能率的で安価にできる可能性が高い。

■施肥
 芝草の生長を旺盛にし、その機能を維持するとともに葉色を緑色にし美観を保つためには、適切な施肥が必要です。
 ・頻 度・・・年3回以上。少ない量をこまめに行う方が病気にかかりにくい。
 ・内 容・・・状況により、有機肥料と微量要素肥料を選択しながら行います。
 ・作業者・・・子どもでも施工できるので業者が行う必要は少ないです。

■目土
 あらかじめ調整または用意した土壌(砂)を芝生上に薄く散布します。目的としては、@芝草の仕上がり促進、A芝草面の不陸調整、Bサッチ(枯死して繊維化した茎葉や根等、目土等との混合物)の抑制、C防寒と乾燥防止等のために必要です。
 ・頻 度・・・年1回以上
 ・内 容・・・シルト分が少ない土均一にまきます。
        踏圧が高いところは隔年で春先にエアレーション(通気)するとよいです。
 ・作業者・・・大面積の場合、業者に委託する方が能率的で安価にできる可能性が高い。

■薬剤散布 
 刈り屑が芝生上に集積すると、見栄えが悪いだけでなく病原菌の発生源ともなるので、刈り込み後に必ず行います。
 ・作業者・・・大面積の場合、業者に委託する方が能率的で安価にできる可能性が高い。  

■手取除草 
 病害虫を防除するために行いますが、学校のグランドという性質上、控える方がよいです。小さな異変を発見したときに早期対処すると非常に効果適です。
 ・頻 度・・・毎年同じ工程で行うのではなく、芝生の状況を見て、その場にあった薬剤を
       適宜散布します。
 ・作業者・・・危険なので、業者に委託するべきです。

■灌水
 日本では降水量が多いため、とりわけ灌水の必要性はありませんが、長期間無降水で乾燥状態が続くことが多い時期(7〜9月)には灌水が必要となります。(手撒きあるいはスプリンクラーによるもの等)


一般社団法人石川県造園緑化建設協会

〒920-0376
石川県金沢市福増町北840番2
TEL 076-269-1110